「亜鉛って体にいいんでしょ、だったら多く摂った方がいいんじゃないの?」——正直、最初はそう思ってた。彼のために選んだ精力剤に亜鉛が含まれていて、さらに別のマルチビタミンも飲ませようとして。(合計で亜鉛がどれくらいになるか、計算していなかった)

「体にいいもの」でも、摂りすぎると話が変わる。亜鉛はそれが比較的はっきりしている成分のひとつです。

耐容上限量は1日40mg

厚生労働省「日本人の食事摂取基準2020年版」では、成人男性の亜鉛の耐容上限量を1日45mg(18〜74歳)と定めています。ここでは一般的な安全指標として広く参照される1日40mgを目安として整理します。

男性の推奨摂取量が1日11mgなので、40mgはその3〜4倍。食事だけで耐容上限に達することはまずない量です。ただし、亜鉛を含むサプリを複数重ねるとこの話が変わってくる。

過剰になると何が起きるか

亜鉛過剰で最初に起きることとして研究で報告されているのが、銅の吸収阻害です。亜鉛と銅は腸での吸収で競合していて、亜鉛が多すぎると銅が吸収されにくくなる。銅が不足すると貧血・免疫機能の低下・神経系への影響が出ることが知られています。

さらに短期的な過剰では、消化器症状(吐き気・腹痛・下痢)が出ることもある。「精力剤を飲んだら胃の調子が悪くなった」という話の一部は、ここにある可能性があります。

「総量が見えない」ことが落とし穴

1種類のサプリなら成分表を確認すれば済む話なんですが、複数のサプリを組み合わせているときは話が違ってきます。精力剤に10mg、マルチビタミンに8mg、プロテインに5mg——個別には「適量」でも、合算すると30mgを超えることは珍しくない。

私がやらかしたのがまさにこれで、彼用に選んだ精力剤とマルチビタミンを一緒に使っていた時期があって。別々に成分表を見てOKと思っていたのに、亜鉛だけ合計したら1日30mg超えていた。(それに気づいたのが1ヶ月後だった……)

「推奨量の範囲」が安全の基準

研究では「推奨摂取量の範囲での亜鉛補充は安全性が高い」と報告されています。1日11mgを基準として、食事で摂れている量を差し引いた上でサプリの量を決める——その計算をするかどうかが、安全に使えるかの分かれ目になります。

「多いほど効果が高い」という考え方が当てはまらない成分のひとつ。テストステロンへの影響が期待できるのは「不足を補う」ところまでで、上限を超えて摂ることは別の問題を引き起こす可能性があります。

成分表を確認する習慣、一緒につけてほしいんです

亜鉛に限らず、サプリを選ぶときに成分表を見る習慣があると、過剰のリスクはかなり下げられます。1製品ずつではなく、「今使っているものを全部並べて合計する」という確認。私も最初はやっていなかったけど、今は必ずそこから入るようになりました。

複数使いを考えている場合、成分表の亜鉛欄を全部足してみてください。その数字が40mgより大幅に下であれば、まず問題ない。彼のために選ぶときも、同じ確認を一度してもらえると安心して使えると思います。